目次
ペルソナの基本知識
ペルソナとは?
それはペルソナ(理想の顧客)を明確にすること。
ペルソナがどのようなことで悩み、どのような情報源を探しているのか?
どのような媒体へどのようなアプローチで。
そのあたりについてお話をしたいと思います。
まずは、ペルソナについて少し復習をしましょう。
まずは、そもそもペルソナとは?
ペルソナとは、あなたの商品(サービス)を受けたいターゲットとなる顧客像のことです。
ペルソナは理想の顧客そのものではありません。
一人の顧客が全ての理想的な条件を満たすことは無いため、既存顧客の情報やインタビューや調査データなどの実在する情報から架空の理想の顧客「像」を描きます。
これがペルソナです。
ペルソナを作る6つのメリット
次に、ペルソナを作る事で得られる6つのメリットをお伝えします。
- メッセージに一貫性がでる(ブレなくなる)
- メッセージが響くため次の行動に繋がりやすくなる
- 成約率(CVR = Conversion rate)が上がる
- 生涯価値(LTV = Lifetime value)が向上する
- マーケティング費用を抑えることが可能となる
- 理想的な顧客と出会える
以上のように、オンラインビジネスをしていく上で重要なメリットを得られます。
ペルソナを設定する理由
ペルソナを設定する理由は、あらゆるマーケティング施策が具体的になるからです。
例えば「収入を得たいですか?」というメッセージは、経済社会で生活をしている方はほぼ当てはまります。これ具体化していくのです。
例えば「子育てをしながらでも家事や育児の間のすき間時間を使って日に30分程度スマホで作業をするだけ安定収入を1~3万円得られるようになります」というメッセージにしたらどうでしょう。
「収入を得たい」というメッセージは共通ですが、より誰に、どのようにメッセージを届けたら良いのかわかるようになります。
ペルソナの作り方
じゃあ、ペルソナはどうやって作っていくのか?
大きく二つの切り口で考えていきます。
デモグラフィック情報の整理
まず最初に、デモグラフィック情報の整理を行います。
デモグラフィックとは、人口統計学的属性のことを言います。
ちょっと小難しい用語がでてきましたが、考え方は簡単。
性別・年齢・居住地・収入・職業・学歴・家族構成などの、その人のもつ社会経済的な基本的な情報のことです。
これらの情報を明確にすることでペルソナの日常的な行動を予測できるようになり、有効な顧客ターゲットを見つけるための指標を作ることが可能となります。
その結果、マーケティングを成功に導きます。
例えば20代と40代。50代とはラフスタイルや仕事の立ち位置や使えるお金。家族構成・趣味なども異なりますので、当然消費活動も変わってきます。
結果的に、伝えるメッセージや伝えていく媒体も大きく変わってきます。
デモグラフィック情報の項目
でもグラフィック情報にはどのような項目があるのか?
ちょっとご紹介しますと。
- 名前
- 年齢
- 性別
- 職業
- 仕事内容
- 役職
- 年収
- 学歴
- 既婚・未婚
- 家族構成
- 居住地域
- 健康面
- 使えるお金
これがまずは、経済社会を生きる上での最も基礎的な情報です。
ここを外すことはできませんね。
しかし、デモグラフィック情報だけでは、まだ、もう一歩足りません。
では何が必要なのか?
サイコグラフィック情報の整理
それはサイコグラフィック情報。
サイコグラフィック情報とは、デモグラフィックと同じように顧客を分類する切り口の種類の1つです。
デモグラフィック情報には、性別・年齢・収入・既婚/未婚・居住地などの事実関係を表すデータが該当するのに対し、サイコグラフィック情報には、個人の趣味、嗜好、性格、価値観といった個人の主観や内面性を表します。
消費者のライフスタイルが多様化したことにより、サイコグラフィック情報も従来以上に重視されるようになっています。ちょっと切り口を変えると「誰が」買うのかを表すのがデモグラフィック、「なぜ」買うのかを表すのがサイコグラフィック、ということです。
ターゲット顧客への効果的な施策を考えるうえで、デモグラフィックとサイコグラフィックの両方を理解・活用する必要があります。現時点でどのような人を相手にしているのか、そして今後どのような人を相手にしていきたいのかを、具体像として詳細に描き出していきましょう。
サイコグラフィック情報にはどのような項目があるのか?
サイコグラフィック情報項目例
一例を挙げておきますね。
- 気にしていること
- 休日の過ごし方
- 趣味
- 好きなテレビ番組
- 好きなサイト
- 好きなSNS
- 好きな芸能人
- 好きな旅行先
- 好きな雑誌
- 習慣
- よく買い物をするお店
- 所持しているパソコンやモバイルデバイス
わかりますかね?
これは、そもそも人の持っている価値観や求めるライフスタイルなどが反映された結果の情報です。
このあたりを整理することによって、はじめてあなたの商品(サービス)や発信する情報をどうやって、どのようなメッセージを通して伝えていけば良いのかがわかっていきます。
これがペルソナを設計するうえで最も基本的な情報になっていきます。
では、この情報を元に具体的にペルソナを作っていって、SEO対策をする大前提の「顧客の予測行動」を設計していくの次なるステップです。
「顧客の予測行動」を設計するために、まずはペルソナプロフィールというものを定義します。
ペルソナのプロフィールを作成する
デモグラフィック情報とサイコグラフィック情報を元にプロフィールシートに実際の書き込みをしていきます。
- ペルソナの日常
- ペルソナの課題
- 課題に対してチャレンジしていること
- チャレンジの結果として、普段どのようなキーワードを連想しているのか?
ということを明らかにしていきます。
このうえで、次の4ステップ。
- ペルソナのストーリーを作る(1日と1週間)
- ペルソナの悩みを仮定する
- ペルソナが望む状態を仮定する
- ペルソナが望む状態になるための最初の行動を仮定する
この4ステップを通じて、実際にペルソナが起こす最初の行動を定義します。
このようにペルソナの日常と、悩み。そして、理想の状態と、理想へ向かうために具体的にどのような行動をするのかを仮定します。
これを「予測行動の設計」と呼んでいます。
ここまでで、ある程度ペルソナに向けた商品(サービス)や情報発信の方向性がわかってくるのですが、実はまだ大切なプロセスが抜け落ちています。
そのため、次に作成したペルソナの検証プロセスを行います。
ペルソナを検証する
検証する理由
選定したペルソナが「実際にいるのか?」「どのくらいいるのか?」を確認することは大切です。
今までの作業はあくまでも仮説段階。
この仮説を、現実世界にも有効なのかを調査・検証することではじめてペルソナに命が吹き込まれ、ペルソナへの現状がわかり、あなたのマーケティングメッセージが響くようになっていきます。
そのために、SNS・レビュー・統計データ・キーワードツール・QAサイト・アンケートなどを活用ペルソナが現実的に存在するのかを調査・検証してみましょう。
QAサイト
- Yahoo!知恵袋
Yahoo!知恵袋は、疑問に思っていることを質問したり、知っている事柄についての質問に回答することで、参加している方がお互いに知恵や知識を教えあい、分かち合えるサービスです。(Yahoo!知恵袋公式サイトより一部抜粋) - 教えて!goo
教えて!gooは、検索ではわからなかったあなたの質問をみんなで解決できるQ&Aコミュニティサービスです。(教えて!Goo公式サイトより一部抜粋) - クオーラ
Quora(クオーラ)とは、ユーザーコミュニティで作成、編集、運営を行うQ&Aサイト。(実名で質問と回答のやり取りがされる)
質問と回答の収集を行なっており、ユーザーは質問の編集や他ユーザーによる回答に編集を提案することで協働作業が可能になっている(Wikipediaより一部抜粋)
製品レビュー
アンケート
SNS
統計データ
キーワードツール
ペルソナケーススタディ
「顧客の予測行動」を設計するために、まずはペルソナプロフィールというものを定義します。
このプロフィールシートに必要項目を当てはめてペルソナを作ってみました。
ケース1(長谷川由美さん、30代女性)
プロフィールシートに実際に埋めてみました。
- 名前:長谷川由美
- 性別:女
- 家族構成:夫 子供(2歳男の子, 5歳女の子)
- 居住地:京都府
- 年齢:32歳
- 職業:専業主婦
- 収入:0、夫30万円
- 趣味:ネットサーフィン
- 日の過ごし方:家事・育児で1日終わる 子供の寝ている間が唯一の自分時間
- 好きなメディア:特になし
- 日常業務:特になし
- 課題:上の子が小学校に来年入学。時間的に少し余裕が出てきそうなのでじぶんでも何か仕事がしたい。でも外には働きに行きたくない。短時間からはじめたい。
- チャレンジ:ネットで自分でもできる仕事を検索
- 連想キーワード:在宅ワーク 主婦仕事 在宅仕事 短期バイト
このように、実際の人物像を想像して、プロフィールシートに当てはめていきます。
このうえで、次の4ステップ。
- ペルソナのストーリーを作る(1日と1週間)
- 家事・育児で1日が終わる。子どもの寝ている間が唯一の自分時間。この繰り返しの1週間が続いている。休みの日は、家族でお出掛けをする。
- ペルソナの悩みを仮定する
- 時間的に少し余裕が出てきそうなのでじぶんでも何か仕事がしたい。でも外には働きに行きたくない。短時間からはじめたい。
- ペルソナが望む状態を仮定する
- 在宅で、子どもを寝かしつけたあとの自分の時間に、あまり時間をかけないで少しずつ収入を得て、ちょっと贅沢をしたい。
- ペルソナが望む状態になるための最初の行動を仮定する
- 「在宅で収入を得る」などのキーワードでネット検索をする
作成したペルソナには、
- 好きなメディア:特になし
というような設定で、好きなメディアがわからなかったので、
- 30代女性が使うSNS
- 30代女性が読む雑誌
などで検索をしてみます。
すると、以下のようなサイトが見つかりました。
これが私のSNSスタイル。30〜40代女性のリアルなソーシャルメディア事情
このサイトの中身にものすごい有効な情報が書かれています。
どのようなSNSをどのような時間帯に見ているのか?
これ、すごい有用ですよね?
というのも、訴求するメッセージに加えて時間帯などもはっきりとしてきますからね。
しかし、これだけではまだ足りません。
ペルソナの有効性検証するにしてもペルソナが各媒体で何を見ているのか、どういった情報がほしくて媒体を選んでいるのかがわからないですよね?
ですから、次は先程の実際に見ているSNSからインスタグラムにフォーカスをしてみます。
以下のように、
「30代 インスター フォロー」
30代の方が実際にどんな方をフォローしているのかをキーワード検索を通してリサーチします。
すると人気のインスタグラマーが出てくることがわかりました。
年代別インスタグラマーをリサーチ
ファッションやライフスタイルを真似をしたい、憧れている部分などを調べていきます。
そうすることによって、仮定したペルソナの趣味・嗜好などが明らかになってきてより現実的に応用しやすいペルソナが出来上がります。
他にも、
各媒体で 連想したキーワードを入力してみることも非常に有効です。
- 在宅ワーク
- 主婦仕事
- 在宅仕事
- 短期バイト
こういったキーワードをベースに実際に働きたいというニーズにも答えることができますよね?
そして、キーワードベースでリサーチをして、さらに出てきたページを読んで更にキーワードを増やしていく。
この繰り返しの作業を通して「現場で使えるペルソナ」が出来上がってくるわけです。
それでは最後に一連のペルソナ作成工程を元に作ったケーススタディをご紹介しまそう。
以上で、ひとまずペルソナの作成から実際に現実世界で有用なペルソナの作成は完了です。